ふと今呼吸してると実感すると、急に呼吸がおかしくなる事ってないですか

そして粛清の扉を

そして粛清の扉を

コレ、5年位前かなぁ、何かで知って読んでみたかったんですけども。この前ぶらりと寄った古本屋で日に焼けた背表紙を発見。以下話の内容触れてます。
語弊があるようですが、面白く読みました。と言うのも話の内容が、卒業式前日に教師が生徒人質にして教室占拠して一人一人制裁していくって言う、まあバトロワ系統のような感じなので。でも教師が生徒を殺すに至るにはちゃんと理由があって。それは生徒全員を殺すには弱いって言う意見も本の最後の批評でありましたけど、本の教師にある言葉を借りれば「人間は機械じゃなくて感情の生き物」な訳で。それがみてる方によっては些細な事でも本人にとっては死んでしまいたい程辛い時だってある。だからと言って裁けるほど教師が偉い訳でもないですが。最後の方でどんでん返しと言うか、伏線が繋がっていくと言うか、畳み掛けるように事実が明らかになっていくのが面白かったです。
でも教師は信念を貫き通したけど、生徒達のほうが怖かったなあ読んでて。筆者が意図したのかどうなのかは分かりませんけど、彼らの悪い面ばかり挙げていて、結局その面しか見えてないので生徒達一人一人薄っぺらいんですよね。そこもバトロワと違うなーと思いました。で、殆どの生徒が揃いも揃って無気力というか生に対して諦めてるのでそれも何だかなぁと言う感じでした。正直荒廃した高校とか不良とか縁遠い話なので実際は分かりませんが。でも、最後の批評にあったように、もう少し内容量が厚くても良かった感じはします。